―潜入―

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チラリと未だに動かない総司を見た。そんなに大切ならなんで手放したのか…。今更かえす気はさらさらないが。 平「ねぇっ!!聞いてんの!?」 珀「あーはいはい。聞いてますよ、今日の夕餉は何でしょうね」 平「そんな話ししてないしっ!!」 珀「俺的には煮物がいいです」 平「いやいや、そんな話ししてないでしょ!?」 いい加減、面倒くさくなってきた。身近にこういう人が居なかったからかもしれないが、やはり慣れない。 この性格も作ってると疲れる。 あぁ…早く終わらせて帰りたい。此処の飯も美味いが、やはりゆきこの作る飯のほうが馴染む。 珀「…俺はもう戻りますから」 隙を見て、珀は中に入って行った。 縁側を歩いていると上からクナイが降ってきた。スッと避けるとクナイは床に深々と突き刺さった。 クナイに刻まれている紋章を見て、沙羅のだと分かった。ついていた文を取って、クナイもしまった。 『帰還、十日後。ソノ間ニ任務ヲ遂行セヨ』 十日後。それが我が主が決めた期間。絶対に成功させてみせる。あの人が救ってくれたこの命。あの人の為に使うと決めた。何があっても絶対に成し遂げて見せる。 先程、ゆきこから貰った文を開くとそこには髪紐が一本入っていた。 文には、焦らず慎重にいけ。急ぐな。と、達筆な字で書かれていた。十日後、必ずや任務を成功させて帰ります。 下の方に、その髪紐はゆきこからだ。と書いてあった。 早速、今結っている髪紐を解いて新しい髪紐で結った。 珀「さて…道場でも行くか」 あそこ、汗臭いんだよなぁ…。 .
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