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牢屋に着いて、誰も居ないのを確認して中に入った。中に入るとカビ臭く、ジメジメしている所に珀は放り込まれていた。
鍵をクナイで壊して中に入った。まだ拷問をされていないようだ。でも、きっと時間の問題だ。その前に助けないと。
ゆ「珀。珀、起きて」
名を小さく呼んでると、珀が目を開けた。
ゆ「大丈夫…?助けに来たよ」
珀を起き上がらせて、縛ってある紐を切る。
珀「ゆきこ…悪い」
ゆ「何言ってんの。仲間でしょ?ほら、行こう」
あぁ…と、珀が立ち上がった時、複数の足音が聞こえて見覚えのある人達が入ってきた。
とりあえず、柵の外に出てその人達を出迎えた。
歳「やっぱり、お前かゆきこ」
ゆ「クス…気付いていたんですか?」
牢屋に入ってきたのは、土方、原田、永倉、そして沖田。
歳「あぁ…」
ゆ「そうですか、良かったですよ。…簡単には帰してくれそうにないですね」
全員刀を構えているところを見ると、簡単には帰れそうにないなぁ…。
あ、まだ珀に刀渡してない。
ゆ「珀。渡すの忘れてた」
ポイッと刀を投げると、珀は見事に掴んで刀を構えた。
やっぱりこうなっちゃうのかぁ…
ゆ「私は…沖田さんと永倉さん相手にするから、残りよろしく」
二人は、それぞれ自分の相手の前で構えた。その時、ゆきこは無意識で呼び方を変えていた。二人がひどく寂しそうな顔をしていると、気づけなかった。
ゆ「…どうしたんですか?いつもの元気がありませんね?」
桜舞を握る手とは反対の手でクナイをクルクル回しながら言うと永倉はふざけんなとでもいうふうに顔を上げた。
新「お前は!!なんでそんな風に出来るんだよっ!?俺たちは…」
ゆ「永倉さん。」
新「…」
本当に、この人達は優しいなぁ…。でも、私は稔麿達を助けるって決めたから。どんなに言われたって、もう変わらない。
ゆ「土方さん達から聞きませんでしたか?私はあなた達の敵になった。と」
新「だからって…」
ゆ「私は、もう割り切ってます。あなた達が稔麿達を捕まえるというなら、あなた達は私の敵です」
もう、後悔しないって決めたから。稔麿達を守るって決めた時から、この人達と敵対する覚悟は出来てる。
ゆ「始めましょう」
その言葉を合図に、斬り合いが始まった。
ゆきこは気づけなかった、総司がずっと目を瞑っていたことを、
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