―刃の重み―

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ごめんなさい、 それは、以蔵が来て五日後のことだった。その日は以蔵と一緒に買い物に出かけたのだ。 以蔵は力持ちで強いためゆきこの護衛として一緒に出かけることが多くなった。ゆきこもそんな頼れる以蔵を兄のように思っていた。 ゆ「以蔵さん。今日の夕食は何にしますか?」 岡「そうだな…焼き魚が食べたい」 ゆ「分かりました」 桜の格好をしているゆきこはいつも以上に女人らしく見えた。 きっと、もっと髪を伸ばせば、もっと綺麗になるんだろうなぁ…と、ゆきこの隣を歩きながらそんなことを思っていた。 勿論、ゆきこは着物の下に忍装束を着て、刀やクナイも隠し持っている。 ゆ「そうだ、お塩と味噌きらしてたんだ…。以蔵さん、すいませんがそれも買っていいですか?」 岡「ん?あぁ構わねぇよ」 良かった。と笑うゆきこを見てると本当に妹のように思える。二人が一緒のときは、ほのぼのとした雰囲気が二人を包んでいる。 ゆ「んー…あそこのお店の方が大根が安かった。以蔵さんあそこのお店行きましょう」 本当によく動くな。まぁ、部屋で全く動かないような女人は嫌だけど。 ゆ「叔父さん。大根ください」 「ん?桜ちゃんじゃないか、ちょっと待ってな」 最近出掛けるときは桜の格好をするのが定番だ。 「ほら、オマケだ」 ゆ「うわぁ!ありがとうございます!」 「おぉよ!また来てくれよ?」 ゆ「勿論ですよ!それじゃあ!」 手を振りながら戻ってきたゆきこの手には大根とオマケの野菜達があった。 岡「どうしたんだ、それ?」 ゆ「ふふ、オマケで貰っちゃいました」 ゆきこの手から荷物を奪って、ふぅ…と、ため息をつく。 いくら言ってもお嬢ちゃんは人に頼らない。こうして、無理やりやらないと決して自分からは申しでない。 岡「荷物は俺が持つって言っただろ」 そう言って、ゆきこの頭に軽く拳骨を落とした。 ゆ「いたっ…だって…」 岡「だってじゃねぇよ。餓鬼か」 ゆ「むぅ…」 納得いかない顔をしているゆきこを置いて、以蔵は歩き出した。それを慌てて追いかけてくるゆきこは、ありがとうございます。と呟いた。 .
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