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「あの、訊いてほしいことがあります。私が、どうして此処から消えたのかも、理由を含めてお話します」
言っておかなければ、前に進めない。ゆきこの真剣な表情に、総司たちは頷いた。震える手を握り、ゆきこは顔を上げた。
「大丈夫。どんな話でも私たちは受け止めます」
「沖田さん…」
くしゃくしゃとゆきこの髪を撫でる総司に同意するように近藤たちもニッコリと微笑んだ。
「ゆきこ。俺達はお前を家族だと思っている」
「信じてみろよ」
あの日に起きたことも、父のことも、全て話しても、この人たちは受け入れてくれるのだろうか。信じていいのだろうか。
「ゆきこ。話してくれませんか?」
「信じて、いいんですよね?」
「もちろんよ」
しっかりとゆきこの手を握り、頷いた菊にゆきこも覚悟を決めた。総司に隣に座ってもらい、ゆきこは自分の気持ちも整理するように話し始めた。
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