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ゆきこはそんな様子を見て吹き出してしまった。その表情を見た空はゆきこに抱き付いた。
空「ゆきこ可愛い~~ヤバいからね?」
ゆ「え…えと…」
菖「全くもう…」
菖蒲は呆れたように、でも嬉しそうに笑ってから奥に引っ込んでしまった。
空「じゃあ、ゆきこは注文と運ぶのをよろしくね?教えるよりも自分で体感したほうが早いから!」
空はそう言って、お客に注文を聞きにいった。最初は戸惑っていたが、なるようになる!で、お客様に注文を聞きに行った。
夕暮れ時、お店は閉まった。
ゆきこは初めての接客に終わったのと同時にグタァ…と倒れた。
ゆ「疲れたぁ…」
空「お疲れ様!」
ゆ「うぅ…」
二人で空の部屋でまったりしていると、下から菖蒲の声が聞こえてきた。
空「行こ!」
空はゆきこの返事を待たずに手を引っ張って下に降りて行った。下に行くと美味しそうな料理が並んでいた。
ゆ「美味しそぉ~」
菖「遠慮しないでいいわよ」
空「いっただきま~す!!」
空の言葉で、食べ始めた。菖蒲の料理は全部美味しかった。
二人は食べ終えるとまた空の部屋に行き、少し休んでから湯殿に入った。
空「ん~さっぱりしたー」
ゆ「そうだね」
空「ねぇゆきこ。一緒に寝ない?」
ゆ「うん。別にいいよ」
ということで、二人は一緒に眠ることになった。
すっかり遅くなったがゆきこは眠れなかった。いつもと違う空間、いつもと違う匂い。全てが違う空間にゆきこ全く慣れていなかった。
寝返りをした時、寝ていると思っていた空から声が掛けられた。
空「ゆきこ…もう寝た?」
ゆ「ううん」
空「ゆきこに話したいんだけどね私、菖蒲さんに拾われたんだ」
ゆ「!?」
ゆきこの驚いた雰囲気に空は少し笑った。
空「ゆきこ。私、ゆきことなら親友になれる気がするんだぁ…」
この時代に来てから、親友が出来て、姉が出来て、兄が出来て、そして…好きな人ができた。この時代には初めてのことが沢山あった。
あんなに暖かくて安心して居心地の良い場所があるなんて思わなかった。
ゆ「私もそう思うよ。空」
空「…お休み」
ゆ「うん、お休み」
この時代に来て、初めての親友が出来た。
でも、大切な居場所を失った日でもあった。
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