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ゆ「歳兄。」
歳「…なんだ?」
ゆ「歯、くいしばって下さいね?」
は?と、顔を上げた瞬間に頭にものすごい衝撃がはしった。一瞬、花畑と川が見えた気がした。
土方は、頭をおさえて必死に痛みに耐えた。三人はまだ自分達のほうがましだと実感した。
歳「ッ~~~~!?」
ゆ「一番、しっかりしなくちゃいけない人が何やっちゃってんですか!!」
その言葉は、土方に伝わることはなかった。土方はノロノロと立ち上がりふらふらしながら、木にぶつかりながら歩いていった。
その時、ゆきこの足が崩れ落ちた。と、思ったとき腰を支えられた。後ろからため息が聞こえた。
総「気をつけて下さいよ…。…私は最近あなたのお陰で髪が薄くなりそうで怖いですよ…」
ゆ「すいません…」
苦笑いで後ろを振り返った。確かに、改めて見るといつも艶やかだった総司の髪が、いつもより艶がないように見えた。
総「さぁ。もう戻りますよ」
ゆ「あ、はい。三人共ちゃんと洗濯物、やり直して下さいね?」
ゆきこが言い終わると同時に足が地面から離れた。二人はそのまま部屋へと戻って行った。
残された三人は滅多にやらない、洗濯に四苦八苦しながらヘトヘトになりながら終わらせたのだった。
ゆ「悪いことしちゃいましたかね?」
総「…たまには、いいんじゃないですか?」
三人と別れた二人は、歩きながら土方達を思い浮かべていた。悪いことをしたと思うが、久しぶりに溜まっていたものを吐き出せた気がした。今頃、四苦八苦している三人を思い浮かべて、顔を見合わせて笑い合った。
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