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扉から入って来たのは女の子ではなく、今度は20代前半の男だった。
その男は嫌らしい笑みを浮かべながら、オルガさんのもとへと歩いて来た。
「さて、オルガさん。
今月のお金は用意出来ましたか?」
男は嫌らしい笑みを消さないままそういってくる。
オルガさんは心底嫌そうな顔をしていたが、少しすると諦めたように、男に大金を渡していた。
「くくっ、確かに受け取りました」
そういうと男は踵を返し、帰っていった。
男が去った後、沈黙が流れる……。
「オルガさんっ!!」
その沈黙を最初に破ったのは、ララ=シャルウィンだった。
「私もう我慢できない!
あいつらの所に行ってくる!!」
「ダメッ!絶対ダメッ!!
そんな危険なことはやめなさい!」
「でも………」
ララは押し黙ってしまった。
「なぁ……すまないが…さっきから何を話しているんだ?」
あ?空気読め?
…………知るか。
「あいつはね…いや、あいつらはね……」
どうやらオルガさんは俺の空気の読めない発言にも答えてくれるようだ。
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