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「そうよ。ちょっと遊ばしてもらうわね~」
「はあ……」
私はあえて軽いノリで言い、フランについていく。
咲夜はやはり呆気に取られていたが、その様は吹き出しで三点リーダをつけたくなる感じで、何となく哀れだった。
「ねえ、メモカはちゃんとある?」
「それどころかメモステもあるわよ」
その感慨(?)を打ち崩すように、フランが話しかけてきた。
まあ、お嬢様というのは、このくらい無邪気な方が良いのだろう……。
―――――
少女ゲーム中...
―――――
「あー、疲れた疲れた」
「あら、メルティじゃない」
フランと散々遊び倒した私は、紅魔館のロビーに来ていた。
すると、ちょうど館の主、レミリアお嬢様が私に声をかけてきた。
色々と急展開だが、キングクリムゾンを使ったということで勘弁してほしい。
「これはこれはレミリア様。相変わらず病弱そうで何よりですわ」
「……そちらも相変わらずね」
私はスカートを持ち、挨拶する。あんまり受けなかったようだ。
「それはそうとメルティ、今夜は良い月だし、吸ってもいい?」
「夜食は太るわよ。この腐れ外道め」
「むしろカオスの方じゃないかしら。食事の時間よ」
「……冗談は置いといて、確かに良い月ね」
私はロビーの窓から、漆黒の夜空に悠然と構える月に目を向けた。
今夜は満月で全く翳りが無く、しかも此処に居るせいか、赤く大きく見える。
全く、妖怪にとっては良い夜だ。
「ええ。こういう日は、生命力が満ち満ちてくるわ」
レミリアは月を一心に見つめつつ言う。
妖怪にとって月の光は、エネルギー源でもある。特に彼女が言うと、説得力が着いていた。
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