今夜月の見える丘に

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「ふふ、何だか命が沸き起こってくる程ね。ノスフェラトゥが言うのもなんだけど」 「……へ?」 唐突且つ、間抜けな返事を私は返す。 レミリアのその発言に、妙に引き寄せられるものがあったのだ。 「ん?何かおかしかったかしら?(あなた程じゃないけど)」 「いや、命が~のくだりよ。なんか意味深に聞こえて」 ベタなボケはやめろ、という突っ込みを抑えつつ、私は追及した。 命が沸き起こってくるとは、言葉通りに解釈すれば新生、或いは復活と私はイメージするのだが……。 「ああ、以前にそんな本を読んだ事があったなって思い出したのよ。別に信じてるわけじゃないけどね」 レミリアは穏やかな口調になりつつ、言った。 この言い回しからすると……やはりその通りか。 「……それ、此処の図書館にある?」 私は更に尋ねてみる。 万に一つでも可能性があるのなら、興味が湧かない筈がない。 「さあ?大昔の事だからねえ……あ、今は図書館に入れないわよ」 「どうして?」 「パチェが科学魔法とやらの実験中だから」 「ああ……そう」 なるほど、どこぞの教授の所為だな……って、何を昔の話を引っ張ってきているのだろうか。 それはそれとして、今の情報は私にとって、旅商人が見つけた高価な真珠にも等しい。 これは所謂伏線だから、是非覚えておいてほしい。 「何さり気なくメタな事言ってるのよ。小説家でも漫画家でもないくせに」 「勝手に人の心を読むな。地霊殿にでも行ってこい。……ともかく、今日はありがとう」 「別に私は何もしてないわ。それに、礼を言うくらいならB型の血液を用意しなさい」 「そういう事はメイド長に言いなさいよ……」 私は呆れながらも、一礼する。
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