18人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふふ、何だか命が沸き起こってくる程ね。ノスフェラトゥが言うのもなんだけど」
「……へ?」
唐突且つ、間抜けな返事を私は返す。
レミリアのその発言に、妙に引き寄せられるものがあったのだ。
「ん?何かおかしかったかしら?(あなた程じゃないけど)」
「いや、命が~のくだりよ。なんか意味深に聞こえて」
ベタなボケはやめろ、という突っ込みを抑えつつ、私は追及した。
命が沸き起こってくるとは、言葉通りに解釈すれば新生、或いは復活と私はイメージするのだが……。
「ああ、以前にそんな本を読んだ事があったなって思い出したのよ。別に信じてるわけじゃないけどね」
レミリアは穏やかな口調になりつつ、言った。
この言い回しからすると……やはりその通りか。
「……それ、此処の図書館にある?」
私は更に尋ねてみる。
万に一つでも可能性があるのなら、興味が湧かない筈がない。
「さあ?大昔の事だからねえ……あ、今は図書館に入れないわよ」
「どうして?」
「パチェが科学魔法とやらの実験中だから」
「ああ……そう」
なるほど、どこぞの教授の所為だな……って、何を昔の話を引っ張ってきているのだろうか。
それはそれとして、今の情報は私にとって、旅商人が見つけた高価な真珠にも等しい。
これは所謂伏線だから、是非覚えておいてほしい。
「何さり気なくメタな事言ってるのよ。小説家でも漫画家でもないくせに」
「勝手に人の心を読むな。地霊殿にでも行ってこい。……ともかく、今日はありがとう」
「別に私は何もしてないわ。それに、礼を言うくらいならB型の血液を用意しなさい」
「そういう事はメイド長に言いなさいよ……」
私は呆れながらも、一礼する。
最初のコメントを投稿しよう!