無気力な学徒

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朝、アパートの一室からけたたましい音が鳴り響く 目覚まし時計をとめるために手が伸びる だが、伸ばした手が目覚まし時計を止める前にベッドから落ちた 「ーーー痛てぇ、まったく災難だ・・・」 俺はモソモソと立ち上がった ランドル・オードラント それが俺の名だ 中肉中背・銀灰色のボサボサな髪・ヨレヨレのシャツ うん、これだけでも冴えない印象だ なのにトドメに覇気の無い眼 友達からは『死んでしばらくした魚と同じ眼』とも言われたが、そんなジャパンアニメーションの某糖尿侍みたいな眼だと言われても嬉しくない 嬉しいとしたらそいつはドMだ 断言してもいい いつものズボンを履いて白衣を身にまとう 仕上げに度の弱いメガネをかけて・・・ うん冴えない学者の出来上がり~ アパートを出る前に冷蔵庫を見る あぁ、俺にはパンの耳すらも残っていないのか・・・ よし、アイツにおこぼれを貰って昼を凌ぐか そうして朝霧立ち込める市街へと出かけた
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