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 真っ白な世界。  網膜に焼き付く白い閃光。それが、それが私の最期の記憶。 「おはよう。由衣」  窓辺にはもうきちんと用意を済ませた自分とそっくりな顔。窓から差し込む光をカーテンで遮っていた。 「おはよう。由布」  ゆっくりと体を起こす。古いけど小綺麗なマンションの一室。  ありふれた日常の一コマ。一コマを演じる。  滑稽だけど愛しい瞬間。
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