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朝が始まった。
この刹那の日常を噛み締める。緩やかな朝の日差し。爽やかな空気。…すべてかつては当たり前のように享受していたもの。
あの頃の私は知らなかった。
それは容易く壊れてしまうものであることを。
私は暖かい日常に踏み出しつつも、その昏く深い心の奥底に残っているモノを忘れることはできなかった。
それは痛み。
それは決して癒えることのない傷の痛み。
だからこの温さにも心を緩ませることはない。
あの日から一日たりとも。
忘れたことなどない。
ワタシガシンダヒ。
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