2/12
前へ
/36ページ
次へ
「…っ」  爽やかな朝日が窓から差し込んでいる。だが私はじっとりと不快な汗をかいていた。  いまだ心臓がばくばくいっている。嫌な夢…。  そこでふと夢の内容をすっかり忘れていることに気づいた。  ただ嫌な夢だったことだけ。  それだけが頭に残っていた。  ぱちりと軽く両頬を叩く。気を取り直して学校へいく準備を始めた。  髪の毛をポニーテールにしてしっかり結ぶ。制服に着替えて学生鞄を手にする。  そのまま外に出ようとすると母親の声がかかった。 「彩、ご飯はー?」 「時間がないよー」  ぱたぱたと靴をはきながら答えて外へと飛び出した。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加