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いつもと同じ通学路をただ惰性的に辿る。通いなれた道。
私は朝の不快感を吐き出すようにため息をついた。
「おはよう」
「おはよう、どうしたの?」
後ろから2人分のきれいにはもった声がして私は反射的に振り返った。
同じ学校の制服を着た男女が立っている。頭が鈍く痛い。
「…由衣?」
私の反応に心配そうに由衣は顔をのぞきこんできた。
「大丈夫?調子でも悪いの?」
二つに分けた髪をお団子にして赤いリボンでくくっている由衣の頭を、ボンヤリと見つめた。赤い…。
「由布、君は男の子なんだから荷物を持ってあげなさい」
「はいはい」
由布は由衣とそっくりだ。そうぼーっと見ている私の手から学生鞄をそっと取った。
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