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 周りは学生の群れ。その中に自分がいることがひどく異端に感じられた。  私は…なのに。  むずむずと疼く焦燥感。私はどうしてこんなに不安なんだろう。  今朝見た覚えてもいない夢のせい?そのような気もするし違う気もする。  ただ。  何かがおかしい。それが私を不安にさせる。  そっくりな笑顔で笑う双子。  どこか覚えがある。  ううん。覚えがあるのは当たり前。友人なんだから。  …。 「チャイムが鳴ってるよー」  予鈴に急かされるようにぐちゃぐちゃの思考を押し込んで私は校門に向かって走った。
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