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癒えない渇き。
解消されない謎。
不安。
焦燥…。
気がつけば終業のチャイムが鳴っていた。
そしていつもの帰り道を前に私は立ち尽くしていた。
耳鳴りがする。いいえ、これは歌声。
それを聞いて私は動けなくなっていた。
胸の奥がドクドクと脈打っている。これは警鐘。
この道はいけない。
この道は通ってはいけない。
冷や汗が背中を伝う。
「どうしたの?」
「早く早く」
そんな私を笑顔の双子が引っ張っていく。
そっちは行きたくないのに。
笑 っ て い る。
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