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涼子は幼い頃から目が悪く、聴覚も人並みより劣っていた。
それが彼女の性格形成に影響したのか小学生の頃、
誰一人として打ち解けられる友達がいなかった。
父親は一人娘の涼子にはとてもやさしかったが、
母親に対しては暴力的だった。
涼子が寝る前には父親は必ず宮沢賢治の童話を読んでくれた。
涼子はその時の父がとても好きだった。
太く、低く、そしてやさしいその声は涼子をとても安心させた。
しかしある日、そんな夜が突然終わってしまった。
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