7人が本棚に入れています
本棚に追加
TAKE・3
短大に入学した涼子は東京で一人暮らしを始めた。
母親の元を離れて一人で生活したかったからだ。
お母さんは大丈夫だから頑張ってきなさいよ、
と母は心地よく涼子を送ってくれた。
生まれ育った街からでてきた涼子にとって、東京はとても新鮮だった。
そこには沢山の人や情報が流れていた。
しかし、涼子には相変わらず一人の友達も出来なかった。
授業を受ける時も。食堂で食事を取る時も、いつも一人だった。
淡々と日々が過ぎ去った。
7月に入ったある日のことだった。
学生たちは学期末のテストに備えて情報交換やらコピーやらでとても忙しくなっていた。
涼子は食堂のいつも座る席で小説を読んでいた。
そこへ、何処かで見たことのある女の子が声をかけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!