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「……で、用とはなんだ」
「呂布さんは異性に興味はありますか?」
呂布は机の上に腰掛け、王允の方を眉間にシワをよせじっと見つめる。
王允は微笑んだままだ。
「ある」
呂布は答えた。
「ああ、それは良かった!是非とも呂布さんに紹介をしてくれと頼まれた娘がいまして」
手をパンッと一度鳴らすと王允は明るい声で話を続けた。
「名前を『貂蝉(ちょうせん)』といいまして、今は訳あって学校にいっておりませんが美少女で有名なんです!」
心の中で王允は
(策の為とはいい、自分を『美少女』とは我ながら恥ずかしい……)
と思った。
「……王允、写真はあるのか?」
(! ……かかってきた!)
「はい、ありますよ」
スカートのポケットから携帯を取り出し、事前に撮影していた『貂蝉』の写真を王允は呂布に見せた。
「…………」
「…………」
無言で携帯の写真を見つめる呂布。
(……ダメか?)
王允がそう思ったとき、呂布が口を開いた。
「王允」
「はい、なんでしょう」
「貂蝉を俺に紹介してくれ」
(よし!)
「分かりました。呂布さん」
連環の計の第一段階が成功した。
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