36 美女連環の計 (完)

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「呂布様。……たまたま街に出ていたら無理矢理私を……」 泣きながら苦しそうな表情をして王允は呂布の胸に飛び込んだ。 「……いい、無理に言わなくとも」 呂布はそう言うと、自分の胸に抱きついている貂蝉を優しく抱き込む。 「私がお慕いしているのは……」 この言葉をいいきる前に王允、呂布に向かって叫んできている者がズンズンとやってくる。 ――董卓だ。 「おい! 呂布! お前、俺の貂蝉に何をしている!!」 「!?」 「!」 呂布は叫びながら自分たちの方に来る董卓を見る。 その目には憎しみの色が見える。 「即刻、貂蝉から離れろ!!」 なおも董卓は叫ぶ。 しかし、その怒声は呂布には効かない。 逆に董卓に殺気をあて、威圧する。 董卓は呂布の殺気に怯む。 彼らの様子を見ていた王允は連環の計が成功することを確信する。 だが、まだ真に成功するまでは気が抜けない。 あの日以来、董卓は呂布を自分の近くに置くことを遠ざけた。 いつ、自分も丁原のようにやられるかわからないからだ。 だが、無情にもその日がやってきた――。
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