37 小粒でも(略)2 (完)

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生徒会室には曹操と賈クの二人だけになった。 「……賈クと言ったな」 「はい」 品定めをするように曹操は賈クを見る。 何を考えているかわからない表情をしている。 先程からずっと賈クはその表情を崩すことはない。 いや、一度だけ曹操は表情が変わった時を見た。 校庭にて張シュウが気を失った時――。 「ひとつ賭けをしないか? 賈ク」 「?」 「俺が、この学校から出たら勝ち。お前が俺を討つことが出来たらお前の勝ち。どうだ? 悪くない賭けだろ」 「……流石、曹操ですね。分かって虎穴に入るとは酔狂極まりない。でも、そういうの好きですよ私」 ニヤリと口元に笑いの表情を賈クは浮かべた。 とうとう賈クは本性を現す。 暗く、黒く、深く貪欲な表情を――。 「くく。その表情たまらないな、賈ク。そうだな、俺が勝ったらおまえたち宛城地域の者はすべて俺に従ってもらう。 勿論、おまえもだ賈ク!」 曹操も賈クに劣らないほどの暗く、黒く貪欲な感情をむき出しにする。 「そうだな、ルールは何でも有り。使えるものはすべて使う。開始時間は今から秒針が12時をさしたとき」 「……分かりました」 二人とも口元の笑みは絶やさない。 今から行う賭けを楽しむかのように。 ――そして、秒針は12時をさした。
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