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荀イクさんは、政治とか策略とかにはテキパキと簡潔に答えるのだが、日常会話になると抜けたところがある。
現に、今の質問には指で数え折りながら答えていた。
そろそろ会話内容を変えたくて部活の活動内容の話を出した。
「ところで、次回は『字』ですか?『絵』ですか?」
『字』と『絵』。
どちらになるかで今後の自分の活動内容が天国か地獄になるか左右される。
特に精神面が……。
「次回は『絵』です」
………終わった。
目の前が暗くなりそうになった。まさか自分にとって最悪の方になるとは…。
『字』なら自分は中身を作らずに済み、比較的楽な表紙作成作業で精神的・肉体的なダメージがくることがないが、『絵』だと大きく違ってくる。
まず、部内で一番、絵の上手い自分が描くことになる。
そうすると、視覚から直接、精神的ダメージを受け、そのダメージを受けた状態で作業をし、肉体的疲労に多大に繋がるのだ。
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