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トク「まぁ怪しいからといって証拠があるわけでもない。たぶん本人を問い詰めても知らぬ存ぜぬで通されるだろう」
トクちゃんは背もたれに寄りかかりふぅーっとため息を吐く。
マサユキ「そもそもなんでこのヤマモトって奴が怪しいの?」
俺の質問にトクちゃんは眼鏡を中指でクイッとあげると答えだす。
トク「資料の三つの問題にね…共通して関与している人物がいるんだ……ちゃんと資料にも書いてあるけど…スズキくんという人だね。」
確かに資料を見ていた時に何度か見た名前だ。
トク「彼に対してヤマモトが言ったんだ¨今回は楽しめたか?¨とね」
その言葉だけではわからないが……その言い回しだと前回があるようにとれる。
聖純女学院の件…それを指しているのか?
コバタ「聖純女学院の時も最後に似たようなことを言った子がいるしね」
コバタ先輩が後押しした。
チハル「それで……現段階ではなにも対処はしないのですか?」
トク「………次はどこでなにが起きるかもわからない。対処のしようがない。」
そして生徒会室には沈黙が続く。
なにやら難しそうだ。
俺はだんだん飽きてきた。
トク「とりあえず、そうだね…各自対策を考えておくように。今日の会議はこれで終了する」
トクちゃんが言うとまずはコバタ先輩が生徒会室からでていき次にチハルがでていく。
マサユキ「トクちゃん、お疲れ様」
生徒会室に残ったのは俺とトクちゃんだけになった。
俺はトクちゃんにねぎらいの言葉をかける。
トク「ああ、ありがとう。しまらない会議で申し訳なかった……本当にどうしたものか…」
トクちゃんは悩んでいる。
生徒会長としての責任感か…真面目に考えている。
トク「争いを………望む者か」
トクちゃんの呟きが室内に響いた。
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