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俺達が案内された場所は野球部の部室の裏。
部室と校舎に挟まれ人の目に付きづらい。リンチやヤキ入れにはちょうどいい。
まぁジャス学でそんなことをする奴は皆無だったけど…。
マサユキ「……んで、やるの?」
中学生時代…それなりに喧嘩も経験した俺にとっては慣れた状況だ。
体格のいい方「お前達一年ごときにヤスダ先生の手を煩わせるのも悪いからな。俺達が教育してやるよ」
そう言って体格のいい方が構える。
腰を僅かに落とし握った両手を胸の辺りまであげる一見ボクサーのような構えだが…やや重心が後ろにあることから格闘技をやっている者ではないことがわかる。
実力はわからないがストリートファイターであると俺は判断した。
チハル「気が早いですね、名前くらい名乗ったらどうですか?」
まだ構えてもいないチハルが冷静に眼鏡を上げる。
体格のいい方→イマイ「おっと、そいつは悪い。俺は二年のイマイだ。お前は?」
こいつが二年の方か…
チハル「私は一年、生徒会のチハルです。」
チハルは背筋を伸ばし凛とした佇まいで答える。
マサユキ「あ、俺はマサユキね」
そして俺は便乗する。
ぽっちゃりお兄系→ヨウ「ゲヘッゲヘヘッ、俺はヨウって名前だ」
うわ…でたよ。
今どきそんな笑い方する奴いたんだ…。
こいつが三年生の転校生で間違いないな。
イマイ「じゃあ生意気な一年の教育を始めるか」
イマイがチハルに向かい駆け出す。
瞬時に俺はイマイの前に立ちはだかろうとするがヨウの攻撃がそれを阻む。
マサユキ「くぅ!!」
ヨウは俺の右側から鉄パイプを振り下ろす。
俺はそれをバックステップでかわす。
ヨウ「貴様の相手は俺がする」
得意気な顔でヨウは行った。
こいつはなんだろう…間合いのとり方自体はうまいが…鉄パイプの握り、構え、こちらに歩んでくる歩幅と姿勢…それらを見るかぎりでは決まった戦闘スタイルが判別できない…。
仕掛け方に悩んだ俺はヨウの次の攻撃を待つ。
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