転校生と新任教師(マサユキ)

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………。     ………。     あれからどれくらい時間が経ったんだ?     雨が降っている。     辺りはもう薄暗い……。     そっか…鉄パイプで殴られて気を失ってたんだ。     全身が痛い…     倒れたままの体勢で俺は辺りを見渡す…。     ……チハルが倒れている。     俺は痛みを我慢しながらチハルの方へとズリズリと這って行く。     マサユキ「おい…チハル…大丈夫か?」     消え去りそうな声で俺は言う。     チハル「大丈夫じゃ……ないよ」     どうやら意識があったみたいだ。   チハルはうつ伏せになったまま俺のいる方向と逆の方を見ながら言った。     だけどわかる。 顔を見なくてもわかる。 声でわかる。       ……泣いている。       マサユキ「…ヤマザキ先生の不意討ちがなけりゃなぁ…」     仲間を傷付けられたことが悔しい。   自分の甘さが悔しい。     チハル「私だって…イマイと戦った時の疲れがなければ………くやしい…………くやしいよ!!!!」     チハルは顔をあげて言う。     マサユキ「雨が………降ってるな」     俺は涙に気付かないふりをした。             それから数日後……。         俺とチハルはあれからしばらく入院していた。     そして退院した今は学校に来ている。     退院したとはいえ俺の右腕にギブスや包帯が付けられており肩に吊ってある感じだ。     授業が終わると俺は生徒会に出るべく生徒会室に向かう。       目的地の扉の前にはトクちゃんが立っていた。       トク「退院おめでとう…さぁ皆そろっている。話しを……聞かせてもらおうか?」       トクちゃんの声が若干殺気立っている。     俺は開けられた扉の中に入る。    
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