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俺は空いている席に座ると辺りを見渡す。
コバタ先輩はやる気なさそうに座ってシャープペンを指で回している。
トクちゃんは中央正面の特等席に座り腕を組んでしかめっ面をしている。
そして……
俺の斜め向かいの席にチハルがいる。
その顔には湿布や絆創膏が貼られている。
苛立っているのか細い眉が吊り上がっている。
マサユキ「トクちゃん、他の人はまだ退院してないの?」
俺は尋ねた。
むしろ生徒会ってこの4人しかいないんじゃ…
トク「君たちが入院してる間に退院した人達もいたんだけどね……あいつらに難癖つけられて順次病院に帰って行ったよ」
そんなことがあったなんて……。
コバタ「ねぇ、トクちゃん…やっぱあいつらヤキ入れようよ。あり得ないってこれ」
シャープペンを回しているコバタ先輩は見た目とは裏腹にヤル気充分だ。
トク「コバタくん…気持ちは充分にわかるけど……とりあえずマーくん達に状況を説明しようか。」
トクちゃんはこちらを見ると優しい表情に戻り説明を始める。
トク「まず彼ら…ヤスダ、ヤマザキ、イマイ、ヨウは間違いなく生徒会を狙っている。俺の推測だけど…生徒会に戦力が整わないようにしているんだと思う。人数が集まれば彼等には驚異となるからね」
そしてコバタ先輩とトクちゃんだけ残っているのは恐らくこの学園で一番と二番に強い人物だからだな。
どちらが一番なのかはわからないけど……この二人を倒すとなると向こうもただでは済まないからな。
トク「そして我が生徒会も彼等をなんとか粛正したいが…彼等の思惑どおり戦力が整わないため動けない。玉砕覚悟とかは趣味じゃないしね」
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