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トク「そんなわけで…奴等のバックには教頭がいるし教師達や世論も当てにできない…まぁ部が悪いってやつだね」
トクちゃんは言った後に自嘲気味に笑う。
チハル「それで…奴等はやりたいようにやって…生徒は半数近く病院送りになり、残った生徒が怯えながら校則を守る今日の授業風景が生まれたわけですね」
俺はチハルと同じことを考えた。
今日一日の学園はそんな感じだった。
トク「生徒が真面目に授業を受けるのはけっこうだけど…恐怖政治はいただけないな。我が学園は正義を重んじて正義を教育し正義を育てる…断じて恐怖による支配があっていい場ではない!!」
トクちゃんが熱くなっている。
せめて俺とチハルが負傷してなければ少しは状況が変わっただろうに…。
俺は自分の右腕を見る。
トク「とりあえず最初に話した通り生徒会は特に狙われている…皆、注意して生活してほしい」
そんなこんなで会議は数十分続き…ほとんどトクちゃんの熱弁(愚痴?)だったが終了した。
俺が帰り支度をしているとギターを背負ったコバタ先輩が近寄ってくる。
コバタ「あはは、途中まで一緒に帰らないかい?」
帰るといっても寮に戻るだけなのだが……俺はただ頷いた。
コバタ先輩と一緒に廊下を歩きながら寮へと向かう。
コバタ「チハルちゃん…たくさん怪我してたね…マーくんも腕…大丈夫かい?」
コバタ先輩がイケメンモードになっている。
マサユキ「筋がどうとか骨がどうとか言われました……しばらく固定しとけば割りと早く動かせるようになるみたいです」
実際ギブスがとれても動かせるだけで重い物を持ったりできないらしい。
でも先輩に心配をかけないようにと俺はそれを言わない。
コバタ「……でも…マーくんやチハルちゃんがやられるなんて…そんなに強いんだあいつら…」
コバタ先輩はまだイケメンだ。
マサユキ「コバタ先輩なら秒殺だよ。……俺もヤマザキ先生に不意討ちくらっただけだし…」
部活帰りの生徒達とすれ違いながら俺とコバタ先輩は廊下を歩く。
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