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「まぁね。優真しつこかったからね~。さすがの私もあのしつこさには負けたわ…。」
言葉とは裏腹に嬉しそうに話す葵に拓巳は
「葵さん、オレ負けたままじゃ終われねぇから、次こそあいつボコボコにするけど、恨まないでくれよ?」
すると葵はニカッと笑い
「あいつ頭おかしいからボコボコにしてくれたら少しはまともになるかも」
と腰に手を当てながらおどけて拓巳に笑ってみせた。
拓巳はフッと笑いをこぼしてしまった。
その時、保健室のドアが開く音が聞こえ、視線を向けると優真がコンビニの袋を片手に入ってきた。
優真が拓巳が目を覚ましている事に気付くと
「お!?目ぇ覚ましたか拓巳!ほら、C.C.レモン買ってきてやったぞ!飲めよ!」
拓巳は優真の手から放られたC.C.レモンをキャッチすると心の中で
(口ん中切れてるオレにC.C.レモン……。わざとなのか…?それとも天然なのか…?)
と優真に疑問の視線を送る。
一方優真は葵に頼まれたであろうプリンを手渡している。プリンの品種を間違えたのか、優真は派手に葵にゲンコツを食らっていた。
ゴンッ
「あつっ…」
この優真の行動に天然だとすぐに悟る拓巳。
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