第一章・第一話「始まりの始まり」

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フォルテ「なんか俺さ、第一話にして早くも“立ち位置”がはっきりした気がする…」 フェイト「いじられ……というか、イジメられキャラ兼ボケ担当だな」 ランド「まぁまぁ、登場した瞬間からわかってたことだしさ。気にするだけ無意味だよ」 うわ、結構キツいこと言うな。ランドも。 コイツはさしずめ腹黒キャラってところだろうな。 自然な流れで俺は突っ込みか。なんて無難なポジション。 フェイト「そういえば、明後日に実技テストがあるって担任が言ってたな」 フォルテ「あ~、魔物相手に実践テストだっけ?恰好の見せ場だな」 ランド「僕は遠慮したいんだけどなぁ……戦うの苦手だから」 そうは見えないがな。ゴーレム相手でも素手でどうにかしてしまいそうだ。 フェイト「得意不得意関係なしに、あまり目立たないようにしなければな」 フォルテ「なんでだ?モテるチャンスだぜ?」 フェイト「…この間、小耳に挟んだんだが……強いヤツを片っ端から倒してまわっている一年がいるらしい」 どうやら入学初日で三年は倒したらしく、昨日二年の先輩が何人かやられたと聞く。 次のテストで品定めして狙うっていう話が有力だ。 ランド「あ、それ僕も知ってる。双焔って呼ばれてるやつだね」 フォルテ「なら、挑まれても負けなきゃいいじゃん」 フェイト「な………」 ランド「え………」 言い切った。きっぱりと。 フォルテ「勝ったら俺が一番強いってことだろ?面白いじゃん」 フェイト「まぁ、あれだ…死なない程度に頑張れよ」 フォルテ「な、なんだよっ、いやに冷たいじゃんかっ」 無謀だとは思うがな。 フォルテには悪いが明後日が楽しみになってきた。
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