第一章・第一話「始まりの始まり」

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――コンッ、コンッ ??「フェイト、いるか?」 フォルテか……。 こんなときに……空気を読まないやつだ。 ティア「……お友達?」 フェイト「まぁ、そんなとこだな」 ティア「じゃあ、またお家に連れてきて…?ティア、お兄さまのお友達、見てみたい…」 絶対フォルテには会せない。 ティアの身に危害が及んでしまう。奴ならきっと、病弱で無知なのをいいことにやりたい放題し放題にしそうだ。変な意味も含めてな。 フェイト「う、うん…多分、な」 ティア「うん、…じゃあ、お友達来たから、切るね?…おやすみ、お兄さま」 フェイト「あぁ、おやすみ」 そう言って電話を切ろうとしたところ、受話器からまだ何か言っている音が聞こえた。 フェイト「どうした?」 ティア「あ、お兄さま……お名前、呼んで?」 フェイト「ん……あぁ、おやすみ、ティア」 ティア「うん…っ、お兄さま…………大、好き…っ」 と、言い終わるとすぐさま電話が切れた。 久々に言われたな。「お名前呼んで?」ってのも「大好き」ってのも なんか照れくさい。 フェイト「寝るか」 ひとり、そう呟いてベッドに横たわる。 フォルテ「放置かッッ!!」 チッ、まだいたのか。 フォルテ「今お前舌打ちしたよな?なんでだよ、むしろ俺がしたいよ舌打ちッ!」 ドア越しに大声で喋るフォルテ。 悪いのはお前だ、せっかくティアに連絡をとっていたというのに。 フェイト「すればいいじゃないか、舌打ち」 フォルテ「あ、そうか。それもそうだな。チッ!…あ~、気が晴れたぁ~っ。………ってなんだよ、これ!無意味すぎるし虚しいよっ!」 ったく、騒がしいやつだなぁ。 いなくなれ、あんにゃろ。 フォルテ「お前なぁッ、ただ話があるから来ただけなのに何なんだよっ!扱い酷すぎ―――」 生徒「うるせぇよッッ!!!」 フォルテ「は、はいっ!すみませんッ!」 あ、お隣さんから怒鳴られてるや。 ……いい加減あけてやるか。 ガチャッ フォルテ「あ、フェイト……」 フェイト「悪いな、コイツ俺の知り合いなんだ。ちょっと頭がおかしくてな、時々こんなふうになるんだ」 お前、ふざけんなッ!というフォルテの怒りを放置し、お隣さんに謝る。 生徒「そ、そうか……可哀相にな。まぁ、あんまり騒がねーようにな」 フォルテ「か、かか、可哀そ……っ」 フェイト「あぁ、すまない。じゃあ、また明日な」
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