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――コンッ、コンッ
??「フェイト、いるか?」
フォルテか……。
こんなときに……空気を読まないやつだ。
ティア「……お友達?」
フェイト「まぁ、そんなとこだな」
ティア「じゃあ、またお家に連れてきて…?ティア、お兄さまのお友達、見てみたい…」
絶対フォルテには会せない。
ティアの身に危害が及んでしまう。奴ならきっと、病弱で無知なのをいいことにやりたい放題し放題にしそうだ。変な意味も含めてな。
フェイト「う、うん…多分、な」
ティア「うん、…じゃあ、お友達来たから、切るね?…おやすみ、お兄さま」
フェイト「あぁ、おやすみ」
そう言って電話を切ろうとしたところ、受話器からまだ何か言っている音が聞こえた。
フェイト「どうした?」
ティア「あ、お兄さま……お名前、呼んで?」
フェイト「ん……あぁ、おやすみ、ティア」
ティア「うん…っ、お兄さま…………大、好き…っ」
と、言い終わるとすぐさま電話が切れた。
久々に言われたな。「お名前呼んで?」ってのも「大好き」ってのも
なんか照れくさい。
フェイト「寝るか」
ひとり、そう呟いてベッドに横たわる。
フォルテ「放置かッッ!!」
チッ、まだいたのか。
フォルテ「今お前舌打ちしたよな?なんでだよ、むしろ俺がしたいよ舌打ちッ!」
ドア越しに大声で喋るフォルテ。
悪いのはお前だ、せっかくティアに連絡をとっていたというのに。
フェイト「すればいいじゃないか、舌打ち」
フォルテ「あ、そうか。それもそうだな。チッ!…あ~、気が晴れたぁ~っ。………ってなんだよ、これ!無意味すぎるし虚しいよっ!」
ったく、騒がしいやつだなぁ。
いなくなれ、あんにゃろ。
フォルテ「お前なぁッ、ただ話があるから来ただけなのに何なんだよっ!扱い酷すぎ―――」
生徒「うるせぇよッッ!!!」
フォルテ「は、はいっ!すみませんッ!」
あ、お隣さんから怒鳴られてるや。
……いい加減あけてやるか。
ガチャッ
フォルテ「あ、フェイト……」
フェイト「悪いな、コイツ俺の知り合いなんだ。ちょっと頭がおかしくてな、時々こんなふうになるんだ」
お前、ふざけんなッ!というフォルテの怒りを放置し、お隣さんに謝る。
生徒「そ、そうか……可哀相にな。まぁ、あんまり騒がねーようにな」
フォルテ「か、かか、可哀そ……っ」
フェイト「あぁ、すまない。じゃあ、また明日な」
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