第一章・第一話「始まりの始まり」

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今さっきまで木の幹の上にいたはずの黒猫は、どうやっても届かないであろう俺の部屋のベランダの手すりに乗っていた。 そこに座ってじっと俺をみている。 暇なんだろうか? ってか何で俺を見てるんだ? フェイト「おい、どうしたんだ?」 と聞いてみる。 勿論人間の言葉など理解出来ないだろう。 まるで溜め息をつくように息をはいた子猫は、ひょいっと飛び降り、去っていった。 フェイト「………なんか不思議な猫だな」 まぁいい、とりあえず寝よう。 …………。 ………………。 ……………………。 そんなこんなで1日が終わる。 このちょっと変わった世界で俺は暮らしてる。 魔術っていうものが当然のように使われていて、精霊っていう粒子状の生命体が存在する。 地水火風雷光魔の7属性に分類される精霊を、体内に流れる魔力を使い、呪文を唱えることでコントロールして発動するのが魔術だ。 魔術にも色々あって、呪文(詠唱)のかわりに音楽(魔曲)で精霊をコントロールする魔奏術なんていうのもある。 ちなみに、回復魔術なんて都合のいいものはない。 魔奏術のなかに治癒力促進の効能がある術があるが、小さな怪我程度しか治せない。 まぁ、基本的に魔術は戦闘に用いられる攻撃魔術が一般的だと思われる。 フェイト「と、まぁそんな感じだ」 よし、今度こそ寝よう。 いい加減瞼が重い…… と、俺はベッドに入ると10分としないうちに眠りに付いた。
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