第一章・第一話「始まりの始まり」

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その一言で一斉に教室が騒がしくなる。 女の子なのかな、男はもういらねー、可愛い子だといいな、などなど……口々に私語を発する生徒たち。主に男子。 よくも転入生ってだけでこれだけ騒げるものだ。 アル「はいはい、みんな静かに!そんなに騒ぐと入りづらくなってしまいますよ!」 は~い、と静かになる教室。 ………小学校ですか? アル「うん、じゃあ入ってもらいましょう。どうぞ?」 ??「あ、はい。では失礼いたしますわね」 アルが引くと大きな音を立てて開くドアが、ほとんど音を立てずにスッ…と開く。 コツ、コツ、と軽い音を立てて入ってきたのは、背格好からして女子。 波打つようになびくブロンドの長髪。 ………って、あれ?この子…… 女子は黒板の前までいくと、黒板に… ステラ・チェリッシュ と書いた。 フェイト「まさかの転入生………だな」 フォルテ「フェイト、昨日の美少女だ」 ステラは生徒たちのほうに向き直り、浅めにおじぎをする。 ステラ「初めまして、ステラ・チェリッシュですわ。よろしくお願いします」 アル「じゃあみんな、質問があったら挙手してください。先生が当てたら質問してもいいですよ?」 シュバッッッッ!!! と、一斉に手を挙げる男子全員。俺以外だ。 女子も七割は挙げている。 ……いいクラスだな、はぁ。
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