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…………。
………………。
教師「はい、ではここまでです」
教師の合図と共に一斉に教室が騒がしくなる。
昼休みに入ったのだ。
??「あーっ、疲れた~」
と、机にうなだれる短髪の少年。
彼の名前はフォルテ。このクラスのムードメーカー的存在、ではないかと思われる。
??「2人とも、お昼は弁当かい?」
コイツはランドリーフ。通称ランドだ。
こんな喋り方をしているがガタイが物凄い。
なんと身長190㎝ほどもあるのだ。
フェイト「いや、今日は食堂で食べてみようかと思っている」
フォルテ「ん~、じゃあ俺も食堂にすっかな」
ランド「よし、なら行こっか。すぐ行かないと混雑するからね」
と、俺たちは食堂に向かった。
…………。
………が、やはり少し遅かったらしい。
フォルテ「ま、マジかよ……こんなに人が来るんだな」
フェイト「どうする…?購買のほうなら空いてるが」
ランド「…パンで、我慢しようか」
美味しそうな匂いを漂わせる食堂。
すぐそこにあるのだが、熟練した捕食者たちの壁は越えられず、やむなく背を向ける俺達。
フォルテ「あれ、アイツ…」
ふと購買のほうを見ると、ひとりの少女がげっそりとした表情で立っていた。
あの子、確か……
フォルテ「おい、アミィッ!」
そう、アミィだアミィ。確か同じクラスだったよな。
アミィ「ふぇ…?」
フェイト「どうしたんだ?随分顔色が悪いが」
近寄って見てみると、涙だの汗だので顔はぐちゃぐちゃになってしまっているのがわかる。
アミィ「あ…みんなぁ~、聞いてよぉぉ~…さっき食堂でね…?」
…………。
ランド「それは可哀相に……」
話はこうだった。
人が少ない間に食堂に着いて、“わざわざ”並んでいたら、次々に人が入ってきて揉みくちゃにされてしまったらしい。
フェイト「まぁ、あの中に女一人で入るのはまず不可能だろうな」
フォルテ「無謀な挑戦をしたお前がワリィ」
アミィ「そ、そんなぁ~っ!なんで私が責められるのよぉ~っ」
ランド「まぁまぁ、とりあえずパン買おうよ。なくなったら食べるものが無いんだから」
そうして、俺たちは適当なパンを買って昼食を終え、他愛のない話をして昼休みを過ごすのだった。
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