0人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「…ごめんなさい。ねぇ、名前は?」
再び俺を見たときには不快の色はすっかり消えていた。
「…黄花」
「そう。黄花、味の保証はするわよ?今日の夕食は私が作ったもの」
そしてすぐに満面の笑みを向ける。
「さ、入って」
触らないといったのに思い切り手を握り、俺を邸の中に引き入れた。
「さすがだなぁ~」
にこにこと笑う桐谷に目を向けることもなく…。
変わった子だ。
俺がかんなに対して抱いた初めての気持ちだった。
最初のコメントを投稿しよう!