その一…黄華

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「…ごめんなさい。ねぇ、名前は?」 再び俺を見たときには不快の色はすっかり消えていた。 「…黄花」 「そう。黄花、味の保証はするわよ?今日の夕食は私が作ったもの」 そしてすぐに満面の笑みを向ける。 「さ、入って」 触らないといったのに思い切り手を握り、俺を邸の中に引き入れた。 「さすがだなぁ~」 にこにこと笑う桐谷に目を向けることもなく…。 変わった子だ。 俺がかんなに対して抱いた初めての気持ちだった。
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