0人が本棚に入れています
本棚に追加
「この家に住み込みで働かないかな?かんなの話し相手になってほしいんだ」
驚いたのは俺だけでなく、かんなも同様だった。
「と、父様!?」
「かんなは黄花を気に入ったんだろう?そうでなかったら無言で食べているうちに掴みかかっているさ」
桐谷は俯いてしまったかんなの頭の上に手を置いた。
「だって…きつく当たるくせに優しい目をしてるんだもの」
呟くように出た言葉。恥ずかしそうにしているその姿に、自分でも驚くほど自然に笑みが浮かんだ。
「勤めの話、受けさせていただきます」
深く頭を下げると、主と奥方は安堵のため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!