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「…ていうか、うちの親の能天気な頭も問題でしょ。年頃の娘を狼の巣に投げたみたいじゃん…」
頭の中で、この1週間の出来事を思い出しながら整理しているうちに何故か自分の両親に不満が募る。
「お花畑に年がら年中住む夫婦め」
せめて会長達の事情を私に教えた状態で旅立ってくるよぉ。
彰にぃに妹が死にかけましたなんて知った時には発狂しまくって帰ってくるだろうな。
彰にぃとは長男。
ちなみに姉ともう一人、兄がいる。
「…って、言っても隣の信司ん家に居候ってのもイヤか。喧嘩になりそうだし…」
信司とは同い年の幼なじみの事。
高校に入ってから学校が違うし全く会わなくなったんだよね。平和だからいいんだけど。
……ん?なんか、私の周りの人って気が狂っているというか個性が強い……いや、我が強い人ばっかりだ!
私はまだまともな分類……だ、よね…?
う〜ん……。
「……あぁ!もう!考えるのやめよ!頭悪くなる!」
考えれば考えるほど色んな疑問が次々に浮かんでくる。
せっかく、誰もいない貸切風呂だし思いっきり一人カラオケでもやってやろう!
と思いたった矢先、
「独り言にしては大きくすぎじゃない?可哀想に見えるんだけど」
誰もいないはずの風呂場なのに肩を叩かれた。
しかも今、1番警戒してて会いたくないアイツの声。
「!?」
肩に置かれた手を弾き、距離をとる。
「やぁ沙羅。昼間の風呂場で会うなんて運命だね」
私は湯槽の真ん中にいるから水音だったりお湯の波が立ってわかるはずなのに、どうして気づかなかったんだろう。
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