再会の二人

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あれから1週間。 本当に学校に行かせてもらえず、部屋から出る事も許されず、ほとんど一人にもさせてもらえず…地獄の日々を過ごしていた私。 「ゔぅ…体に染みるぅぅ…」 ※青春真っ只中の高校生です。 一番風呂に入って一日の疲れを洗い流すようなオヤジ感想の発言をお許し下さい。 それくらいの解放感が味わえてるもので。 これまでは、お屋敷のメイドさんに体を拭いてもらったり、部屋に備え付けてあるシャワーを短時間のみ使用だったりと手厚く過保護な扱いだった。 「…それにしても大きいお風呂だなぁ。湯船も色々あるしスーパー銭湯みたい」 入浴の許可が出た時、真っ先に湯船に浸かる事を考えていたから、すぐに部屋のお風呂をと思って準備をしていたら、会長のお母さんである希里さんが訪ねてきた。 私の今の事情は知っているはず。 なのに何も言わず聞かず、 "今日の日中は誰にもお風呂を使わせないようにするから、のびのびと入ってらっしゃい” と、申し訳なさそうに私の頭を撫でながら話した。 …たぶん、希里さん達は、どうしても、どうにもならなくなった時だけ動くんだろうと思った。 死にかけるくらいの事件だったのに私が起きて見ていた感じからすると自分達で解決させるように行動させてる気がする。 メイドさんが介助してくれた時も労わってくれるけど、何があったかは聞かれなかったし、会長達のやりとりを聞いていても、その中には"大人達”に助けてもらうような素振りはなかった。 …私以外は皆、吸血鬼だけら気をつけて。 その意味がやっとわかった。 いると知っていたけど実際に会った事はなかったから どのくらいの規模でいるかもわからずにいたけど、1週間も部屋に閉じ込められていたおかげで他の人達の行動が見えたりもした。 私のベランダからは建物が見えないけれどある方向から制服を来た人達が現れる。 朝であったり、夜はお風呂道具らしき物を持ち歩いて来る人達。 その中には同じ歳くらいから小さな子まで幅広く。 まるで学生のための寮だ。 私は居候の身で、ただの人間。 ずっと会長達は私と他の人達と遭遇させないように行動させていたと考えに至った。 ……知ったら知ったで私が大パニックになって逃げ出すとか思われてそう。
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