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……
…
ケインは、何が起きたかサッパリ分からないといった風な顔をしていた。
『ケイン!!』
『大丈夫!?』
サイモンとデイジーが駆け寄るとケインは我に帰って
『あ?ああ、怪我…はねえな。頭は、まあいいや』
軽口を吐いたケインに二人は肝を潰したとばかりにため息を吐いた。
サイモンはびしょ濡れな地面に尻餅をつき
『ッ~~~ハア、あ~ビックラこいたわ。何よそれ。』
ケインは目の前に鎮座しているそれを見上げた。
『コンテナ……かしら、接続面があるし、車輪付きだから多分トレーラーか何かの積み荷ね。』
デイジーの意見に納得したケインは笑う膝を何とか叱咤して立ち上がった。
『あ~、あそこから落ちたんだな。』
上を見上げていたサイモンの発言に、ケインとデイジーも上を見上げた。
見ればスクラップ置き場真上の車道のガードレールの先端がひしゃげて飛び出ていた。
すると、コンテナの回りを見ていたケインが
『うわ、何だこりゃ!?』
サイモンとデイジーもコンテナの裏側に回り込むと、そこには焼け焦げたクレーターが出来ていた。
『うわ、ヒデェなこりゃ。爆撃でもされたのか?ここはお世辞にもそこまで治安が良いとは言えない場所だけど紛争が起こる程じゃねえだろ。』
サイモンが訳が分からんとばかりに肩を竦めた。
『中盟のテログループじゃない?ほら、この前ワシントンのホワイトハウスを襲撃した。』
『バカ、ありゃワシントンだろ。それにある意味ではワシントン以上の警戒が敷かれているこのネオニューヨークまで何でわざわざ奴らが来るんだよ?しかもご丁寧に街中のど真ん中でミサイルぶちかます挨拶をかまして警戒を強めて?ますます理解出来ないね。中華人もそこまでじゃ無いだろうよ。』
『おいサイモン!ちょっと来てみろよ!』
議論していた二人をよそに一人コンテナ内部を調べていたケインが突然興奮した声を出した。
『何だよケイン?大量のビスケットでも見つけたのかよ?』
サイモンは冷やかしながら中に入った。
コンテナ内部はかなり薄暗く、眼が慣れてくるまでは殆ど何も見えなかった。
『おいケイン?何だよ、何があるんだ?まさか本当にビスケットじゃ』
『馬鹿野郎!よく見ろ!』
妙に興奮気味なケインをいぶかしんだサイモンはようやく慣れた眼で、
"ソレ"を見た。
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