SHOCK WAVE!!

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『頂きます。』 しばらくして、ケイン達も朝食についた。 朝食を食べている最中、ケインは昨日の晩の事を考えていた。 あの日、少女を背負って帰って来た時、最初アンナは唖然としていた。 次には張手が来ると思っていたケインは次の展開にかなり驚いた。 アンナは何も言わずに少女をケインから預かるとそのままバスルームまで直行した。 更にジョージやケインに指示を飛ばして一番看護に力を入れていた。 そして何とか落ち着いた後、疲れているだろうからもう寝なさいとまで言われてしまった。 そして現在。 今だ何も聞いてこない両親にケインはただ疑問に思うばかりである。 『なあ、母さん、父さん。』 『何?』 『…何だ?』 『何も聞いて来ないの?』 すると、両親は顔を見合わせ、揃って溜め息をついた。 『な、何だよ?こっちは真剣に』 続けようとしたケインをジョージが手で制した 『ケイン。じゃあ俺達が聞けばお前は答えられるのか?』 『…っ、そ、それは…』 思わず言葉が尻窄みになる。 『あの娘が何か訳ありなのくらい私達でも分かるわよ?見くびらないでケイン。』 少し強い口調のアンナにケインはますます縮こまってしまった。 『それに…』 ジョージが続けた。 『俺達の息子が万に一つも間違いを起こす訳が無いからな。』 ケインは顔を上げた。 ジョージは既に新聞で顔を隠していた。 『ほら、早く食べてしまいなさい。』 ケインは、先程より幾分晴れやかな気分で朝食を平らげた。
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