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何故こんな事に、と思う暇も無く、
『死ね!』
少女が腕を振りかぶった。
『!!』
ケインは咄嗟に右手で少女の振り上げた腕の肘に手刀を入れた。
『なっ!?』
動揺する少女の腹に左手を当て、一気に
(押す!!)
動揺していた少女はその当て身に身構えれず、左手は一気に腹にめりこんだ。
『っは、ぐ!?』
少女は素早くケインから離れると距離を取った。
ケインも立ち上がり、相手を睨む。
(っぶねえ、父さんと組み手してなかったらやばかったぜ。)
ジョージがケインに教えた格闘術は、形式と呼べる物は皆無であり、意表を突き、一撃必殺の攻撃を喰らわせるというだけの実戦術であった。
『貴様、何者だ?』
少女が問いを投げてきた。
『へっ、しがない不良学生だよ。お前は?』
『貴様に名乗る義務は無い。』
『あ、てめぇ!東洋人の癖に礼節をわきまえねえのかよ!』
『相手によりけりだ。どちらにしろ、このバッジを見たからには貴様は生きては帰さん。』
少女が構える。
『ハッ、中国拳法かよ!?わりいがなあ、俺は連れと一緒にハリウッドアクションを研究してたんだぜ?視聴覚室でな❤』
少女が踏み込んで来た。
速い!
そう考えた時には少女の肘打ちが左肩にめり込んでいた。
『ハリウッド?あんなもの、素人が真似できるものではない。』
吐き捨てる様に嘲る少女
が、
『!?』
少女の左肩にケインの回し蹴りが炸裂した。
少女の顔が驚愕に満ちた。
『どうだ?COOL(イカシてる)だろ?』
『貴様…』
少女の眼に傍目からも明らかな憤怒が宿った。
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