SHOCK WAVE!!

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結局お互いに迂闊に動けないままになった いつどちらが動いてもおかしくない状況だったその時 ピーー…ガガッ…… 少女の服の胸の内側から何やら通信機らしき音が聞こえた。 『……ち…ら…ほん……りん!……るか!ガガッ』 すると少女はケインの事など忘れたかのように無我夢中で通信機に手を伸ばした。 『本部か!?こちら特派員No.218リ・シェンリン!応答しろ!』 しばらくの間の後 『…ザザ…ンリン!?…ぶ…だっ…のか!』 『シオ!?一体どうした!?本部は』 『アメリカの……が乗り込んで………もう……戻っ…く…な!』 『何!?無事なのか!?シオ!』 『生き残った…は皆第二倉庫に……お前も早く行け!!』 『シオ!』 『ザザ……リュウの……仇を……』 『シ…』 ブツン 通信機からはもう雑音しか聞こえてこない 『あの、もしもし?』 かなり置き去りだったケインが恐る恐る話し掛けた。 『大丈夫か?かなり切羽詰まってるみたいだけど…』 『!!』 いきなり顔を上げた少女に、ケインはたじろいだ。 『お前達は……』 顎先を伝う雫 『……え?』 『お前達アメリカ人は……』 理由は解らない、しかし悲痛な言葉 『どうして、私から何もかもを奪っていくんだ?』 雫が、アスファルトに吸い込まれた。 何かを言い返す間もなく、少女は走り去って行った。 『………』 一人早朝の無人道に佇むケイン 『……は、』 スズメが鳴いた。 『はあああああああ!!?』
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