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早朝から気分が回れ右したケインは、それでもスクラップ置き場へと向かっていた。
『…………』
頭に浮かぶのは、先程出会った謎の少女。
(……確か、シェンリン…だったか?)
通信機に話し掛けていた姿を思い出す。
(そういえば、)
涙が溢れていた瞳、
(可愛かった……な……って!)
『ないないないないないないない!!ずえったいに、可愛くなんかねえ!!』
絶叫が響いた。
少し先の道で、牛乳配達のおじいさんが自転車ごとこけた。
………
……
…
『あら、遅かったわねケイン?何かあった?』
アジトに入ってすぐにデイジーから心配された。
『ん、まあ、いろいろ?』
『アタシに聞かないでよ。ほら、サイモンもお待ちかねよ?』
見れば奥には鈍い銀色のシートが被されたCMSが鎮座しており、その傍らではサイモンが何やら端末をいじっていた。
ケインは足元にある様々なコードに躓かないようにサイモンに近付いた。
『HEY!サイモン、元気してたか…』
『おそおおおい!!』
『うぎゃあああああ!!』
凄く、ビックリした。
『で?どうだったんだ?コレ。』
気を取り直してサイモンに話しかけると、サイモンは喜々として解説を始めた。
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