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『よっく聞いてくれました!いいかケイン!聞いて驚け!こいつはな』
『ワオ!マジかよサイモどわあ!?』
『良いから真面目に聞け。』
『分かった。聞くから冷却スプレーは勘弁してくれ。』
ケインは髪についた霜を払いながら話しを聞いた。
『まず、こいつはかなりの変わり種だ。軍用機な様に見えて軍用機にない特徴を持っている。これを見てくれ。』
サイモンがシートの端を掴んで少し持ち上げた。
『まず形状(フォルム)からして違う。軍用機なら耐熱耐弾装甲をふんだんに使った冬服だがこいつはどう見ても夏服だ。』
見れば確かに機体の形状は流線型と曲線の入り混じった形状をしていた。
『この形状からして多分偵察用と見て間違いない。が、こいつはただの偵察用じゃねえ。』
『はあ?どういう事だよ?』
『重過ぎるんだ。』
『重過ぎる?』
『ああ。普通偵察はサテライトや空軍の戦闘機なんかがやるもんだ。だから当然CMSの偵察用なんてウォッチ&アウェーが常識。装甲や装備なんざ張りぼて同然で当然。だがこいつは違う。』
ケインはまだ半ばシートに覆われている機体をみやった。
『流線型装甲を持っている癖にこいつの重量は半端ねえ。軍用のNF-3(エイブラムス)なんかとも張り合えるぜ!』
エイブラムスと言えばアメリカ陸軍の主力CMSである。
『マジかよ…』
『つまり、それだけの中身(お楽しみ)があるって事だよ。』
ケインは絶句した。
いくら実験機体と言ってもやはり最新技術である、ケインの興奮がまた再燃してきた。
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