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黒服達が車で去ってすぐ、ケインはスクラップ置き場へと走った。
「ハァッ…ハァッ…畜生!」
いきなりだった。
頭にノアの姿が過ぎる。
『私、家族いないから。』
「ハァッ……ハァッ……畜生ぉ!!」
何も、出来なかった。
『だから今は、すごく楽しい……かな。』
はにかむ笑顔がまだ記憶に新しい。
「畜生おぉぉぉお!!」
何故だか判らない。
ノアに会ったのはつい先日だ。
ここまで必死になる様な事か?
否
そうではない。
ノアは頷いた。
"頷いたのだ"
またアップルパイが食べたいと言ったのだ。
全く
全くもって
「アホらしいなあ!たくよぉ!」
ケインは走る。
スクラップ置き場は、もう目の前だった。
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