序章

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やれやれ、季節が夏と冬だけになるなんて悪夢だ。 溜息をつくが、やはり暑いものは熱い。 先生もこのクソ熱い日に授業なんてせずにいられたら幸せだろうに、 『そうね、確かにそうなってくれれば私としては万々歳だわ。』 でしょう? 全く、どうせ手遅れなんだからさっさとクーラー廃止令なんか取下げてしまえばいいんだ。 『その意見には教師という立場でさえなければ大いに賛成してあげるわ。』 教師って大変ですね。 『ええそれはもう。特に授業中に上の空になる生徒が担当クラスにいるときなんかはね。』 へえ、そいつはまた大変なこ……と………で………… ……………… …………… ………… ……… …… 『おわお!』 余りのビックリに椅子から転げ落ちそうになる。 『グッモーニン、ケイン・マックリードクン。このクソ熱い日に良く熱心にビルディング鑑賞に精が出せるわね?所で、もし良ければ私の授業を上の空にさせる程のビルディングの魅力について是非教えてくれるかしら?』 『い、嫌だなあオールベイ先生。先生の授業がビルディングより面白くない訳無いじゃないですか。』 『そう?所でケインクン。』 『な、何でございましょうか?』 『レポートと掃除、どっちが良い?』 ………
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