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結局、あの後レイア先生にこってり絞られ、サイモンも追加で体育館の掃除をする羽目となった。
帰る事が出来る様になったのはもう日が暮れる直前だった。
『サイモンの奢りな。』
『何でだよ!?むしろここはお前が奢るべきだろ!』
帰りに寄ったマクドナルドで口論する二人を、店員や他の客等は迷惑そうに視線を送っているのだが、二人には伝わらないだろう。
その時、二人に近付いて行く店員が一人、
『ちょっとサイモンにケイン!!あんまり五月蝿いと今すぐに叩き出すよ!!』
店員は手を机に叩き付け、二人を睨みつけた。
『おいおい、こっちはレイアのママにしごかれて参ってるんだぜ?コーラの一杯くらい飲ませてくれよ。』
『黙りなケイン。その程度で悲劇のヒロイン気取るならアタシが城の窓から蹴落としてやるよ?』
眼が本気だった。
店員を何とかサイモンがなだめてから、二人はやっと落ち着く事が出来た。
『なあ、段々と母さんに似てきてないか?』
『まあ、スラム付近の女は皆そうだろ。デイジーも付き合い始めた頃はまだ可愛げがあったのになあ。』
デイジーというのが先程の黒人店員の名であり、また彼女はサイモンの彼女でもあった。
早くも尻に敷かれているようだが……
『しかしデイジーはあの頃、と言うか入学した時からああだったろ?』
ケインの言葉にサイモンはああと頷いて、
『確かに。正直あの時はこうして付き合うなんて思いもしなかったぜ。』
するとケインは思い出したと言う感じで
『そういえば、覚えてるか?あのバーコード事件!』
するとサイモンも
『ああ!数学のバーコード先生か!』
バーコード先生とは、ケイン達の通うハイスクールの数学教師の通称である。
『あのバーコード、デイジーに気があるのバレバレなのにずっとばれてねえと勘違いしてて、』
『とうとう痺れを切らしたデイジーが授業中にいきなり先生を廊下に連れ出して、』
『私は思い切りの良い人が好きです。バーコードで頭皮をごまかす人は生理的に受け付けません!』
『で、キレたバーコードがデイジーに掴み掛かろうとしたら逆に投げ飛ばされて、』
『『告るなら今からさっさとその頭のバーコード削ぎ落としてから出直して来い!』!』
馬鹿笑いする二人に肩を怒らせたデイジーが近付いて行くのに、二人は気付いていなかった
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