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その頃、そう遠くないストリートで……
メインストリートを猛スピードでカーチェイスする車が二台。
片方は大型トレーラー。
片方は黒塗りの車である
二台の車は完全に規格外のスピードでストリートを疾走しており、既に二台の後ろには少なくはない数の事故車が散乱していた
『畜生!しつこい奴らだぜ!』
トレーラーの運転手が毒づいた。
『やむを得ないわ、デカイ方をパージする。』
助手席に居た少女が苦々しい表情で決断した
運転手が反論する
『シェンリン!?あれはこれからの作戦でのキモだろう!』
シェンリンと呼ばれた少女が静かに諭す。
『ええ、確かにアレは重要よ。アレの損失によって作戦の七割は変更せざるを得ないでしょうね。全く、忌ま忌ましい米国人共め。』
苦々しい表情の少女を見た運転手が舌打ちをし、サイドブレーキ横のレバーを引いた。
直後、トレーラーの後部に亀裂が一瞬走り、切り離された。
連結を失った後部はみるみるうちに減速し、黒塗りの車に衝突、
『!?』
しなかった。
突然響いた爆音に運転手がミラーを見ると、後ろではちょうど爆炎を上げながら横転し、ガードレールを突き破り落ちていくトレーラー後部が見えた。
『畜生!シェンリン伏せろ!奴らミサイルかバズーカを持ってやがる!』
運転手の言葉にシェンリンは一瞬伏せるのも忘れて呆然とした。
『ミサイル……!?街中で撃ったの!?民間人は…』
『!!伏せろ!』
直後、トレーラーを衝撃が襲った。
ミサイル弾は直撃こそしなかったもののトレーラーのすぐ近くに着弾しており、トレーラーはコントロールを失い半ば横転に近い挙動をしていた。
『ぐうっ!!』
運転手が苦悶の声を上げる。
『!?』
その時運転手の眼に映ったのは、
ビルの鉄骨だった。
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