1055人が本棚に入れています
本棚に追加
「――ようこそ、ここが我が家だ」
……と、言われたが
……おちょくられてるのだろうか。
「おい、これのどこが家なんだ? どっからどう見てもただの岩じゃないか!!」
そう、さっきは遠かったのでわからなかったが、そこにあったのはただの大岩だった。
「お前、俺を馬鹿にしているのか?」
……もしそうだとしたらこいつを殺す。
……勝てるかは置いといて。
「まぁ落ち着け。ちょっと待ってろ」
そう言うとレオは岩に円を書いて手を触れた。
するとその場所が一瞬光って、すぐ元に戻った。
「……なにしたんだ?」
「見れば分かる」
そういいながらレオは岩に触れる。
……いや、触れるっていう言い方は間違いだ。
だって、レオの手は……
「さ、お前も来い」
――岩に溶けるように吸い込まれていた。
「――――」
……驚きで開いた口が塞がらない。
見てもこれは……理解不能だ。
これが魔術って奴なのか…?
「固まってないで、ホラ」
「うおっ!?」
――無理矢理手を引っ張られて、俺もその中に吸い込まれて行った。
最初のコメントを投稿しよう!