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「起きたか」
ガチャリとドアが開き、透が部屋に入ってくる。
シャワーを浴びてきたらしく、湯気の立つ身体をパジャマで包み、首元にタオルを掛けている。
「…おはよう」
「おはようじゃねえよ」
なんて言っていいかわからず、とりあえず起き出しなのでそういうと透が不機嫌そうに返した。
「具合はどうだ?」
「へ、ああ…頭痛い」
問われてそう答えると、そうだろうなと透が呟く。
「三十八度二分。お前何時間あそこにいたんだよ」
「うわ、俺そんなに熱あんの?」
自慢じゃないが、健康体な生駒は風邪ひいても熱を出すことは稀だった。そんなに高熱が出たのはインフルエンザの時以来か。
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