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「とりあえずスーツは脱がせたけど」
「わ、悪い…」
生駒は真新しいパジャマを着せられている。
年下の、しかも親友の弟からここまで介抱して貰うなんて、すごくいたたまれない気分になった。
「…いや、いいけど」
透がそっぽ向いて答える。そのまま少し離れたテーブルに置いておいたお盆を取ってくる。
「腹、減ってんだろ?」
「あ、ええと…うん」
「…食えよ」
お盆の上にはホカホカの雑炊が乗っていた。
「なんで…」
「ついでだよ」
俺も今食ったんだ、と付け足す。
「ありがと」
素直に受け取ると、透がフッと笑った。
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